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2020年02月16日

軽自動車

地方においては、生活の足として欠かせない「軽自動車」ですが、なぜ「軽自動車」という区分があって、軽自動車だけ税金が優遇されているのでしょうか。また、電気自動車の普及など変革期を迎えている自動車業界において、「軽自動車」という区分は、今後も必要なのでしょうか。

常にアメリカから標的にされてきた「軽自動車」ですが、日本はこれまでかたくなに軽自動車の撤廃を拒否し続けてきました。それは、軽自動車メーカーを保護する必要性と地方での利用者が多い軽自動車の負担増は、選挙の票に影響があるからです。

軽自動車導入の背景はどうなっていて、自動車の区分による税の違いはどれだけあるのか、また、今後の在り方などについて考えてみたいと思います

●軽自動車とは? 黄色地に黒色の文字のナンバープレート

軽自動車は、排気量660cc以下、長さ3.4m以下、幅1.48m以下、高さ2.0m以下の三輪および四輪自動車です。自家用車の場合、普通車は白地に緑色の文字のナンバープレートですが、軽自動車は黄色地に黒色の文字のナンバープレートになります。課税の種類、車検などの検査体制も含め、普通自動車と軽自動車は明確に区分されています。

●軽自動車導入の背景:高度経済成長で輸送需要の高まり

昭和24年(1949年)に法律が改正され、従来「小型自動車」として区分されていたものが「小型自動車」と「軽自動車」の2つの区分に分かれました。

この頃、日本は、高度経済成長に向かうところで、中小企業や個人事業主の輸送需要が高まっていました。昭和29年(1954年)の法改正で軽自動車の排気量が360cc に設定されると、実用的で、経済的な輸送手段として本格的に軽自動車の製作について検討されるようになりました。

当時、自動車は高価で一般人が買えるようなものではなかったため、政府としては、一般人でも購入できるような規格の自動車を作り、日本の経済の活性化に繋げたいと考えたわけです。そこで、通商産業省(現経済産業省)が中心となり大衆車の生産計画を作り、積極的に軽自動車の体制整備を行いました。

その結果、軽自動車の生産が本格的に開始され、昭和30年(1955年)にスズキ自動車の「スズライト」が日本初の軽自動車として販売されます。昭和33年(1958年)にはスバルから高性能の「スバル360」が発売され、人気を博し、その後、ホンダやダイハツも参入して軽自動車は一気に普及しました。

軽自動車検査協会の統計資料によると、軽自動車の規格が決まった翌年の昭和25年(1950年)の三輪を含む保有台数は122台だったものが、昭和37年(1962年)には、1,088,772台と百万台の大台に乗りました。その後も順調に成長し、昭和60年(1975年)には、10,888,293台と一千万台に達しました。平成30年には、30,807,207台となり、自動車全体の約4割にも達しています。

●優遇の理由:現代においても車を所持しやすくする必要性

当時の軽自動車は、普通自動車に比べ性能が低く、普通自動車は贅沢品であったことから、同じ税率ではむしろ不平等という状況でした。また、軽自動車は、一般人でも買えるようにとのコンセプトでしたので、税負担を軽くする必要性がありました。そのため、軽自動車の税負担は軽いものとなっています。

しかし、現代においては、軽自動車の性能が向上し、普通自動車と遜色のないレベルになっています。また、自動車の約4割を占めるまでに成長していることから、軽自動車のみを優遇することに合理性はなくなってきています。

それでもなお、軽自動車の税を優遇し続ける理由は、現代においても車を所持しやすくする必要性があるためです。地方においては、公共交通機関が充実しておらず、買い物、通院、通学など生活の足として「軽自動車」がかかせないものとなっています。その軽自動車が重い税金のために購入できないとなると生活に支障がでます。そのため、軽自動車の税優遇を今でも存続させているのです。

●欧米諸国から求められてきた「優遇措置の是正」

最近の自動車に掛かる税金は複雑で、エコカー減税やグリーン化特例などがあるため、普通自動車と軽自動車を単純に比較するのが難しい状況になっていますが、主要な税を比較すると次のような違いがあります。

【自家用乗用車の自動車税(軽自動車税)】
 普通自動車(1リットル以下):25,000円
 軽自動車:10,800円

【自家用乗用車の重量税(エコカー減税なし、13年未満、2年継続検査の場合)】
 普通自動車(1000kg以下):16,400円
 軽自動車:6,600円

この比較を見ると、自動車税も重量税も普通自動車に比べ軽自動車は半分以下になっています。税という側面では圧倒的に軽自動車が優遇されていることがわかります。

アメリカを筆頭に、欧州諸国は、軽自動車の税の優遇に対して、是正が必要だと主張しています。また、トヨタや日産などの普通自動車メーカーも軽自動車の税の優遇に疑問を呈しています。TPP交渉 では、軽自動車の税の優遇撤廃が議論され、結果的にそれを受けて、平成27年度に「軽自動車税」の増税が行われました。

欧州自動車工業会(ACEA)も、日本における軽自動車に対する課税や規制面での優遇については「不均衡」と主張しており、EPA交渉開始当初から、日本での軽自動車優遇について、「撤廃」あるいは「欧州の同種の小型車への優遇適用」を求めています 。

このように、欧米諸国と貿易について交渉が行われる場合、必ず軽自動車の税の優遇撤廃が議論されます。今後も軽自動車の税の優遇については、圧力を掛けてくることが予想されるため、政府にはしっかりとした対策が求められます。

●軽が優遇されているというよりも、普通自動車の税が過大

軽自動車は、特に地方においては住民の足となっていることから、いきなり軽自動車の税の優遇を無くすということは難しいと言えます。ただ、普通自動車と比べると優遇されていることは事実なので、それを近づけるべく、外圧を理由にして徐々に税額を上げていくことが考えられます。

しかし、日本の今の自動車にかかる税は、道路などを整備するための特定財源ではなく、一般財源となっていることから、自動車所有者だけが自動車非所有者よりも多額の税を負担させられているという現状があります。

そう考えると、軽自動車の税が優遇されているというよりも、普通自動車の税が過大に課されていると言えます。つまり、軽自動車にかかる税額を普通自動車の税額に近づけるのではなく、普通自動車の税額を軽自動車の税額に近づけるべきなのです。

●普通自動車の自動車税を1万円程度引き下げれば良いのではないか

私は、自動車税(軽自動車税)も重量税も廃止すべきであると考えているのですが、財務省や総務省が既得権をそう簡単に手放すとは思えないので、現実的に考えると、普通自動車の自動車税を現状の額から1万円程度引き下げれば良いのではないかと思います。

そうすれば、軽自動車の税額から排気量に比例して税額が上昇することになり、軽自動車だけを優遇していることにならないからです。ただ、電気自動車が普及してくる中、排気量による区分は意味をなさなくなりつつあり、自動車税を廃止して走行税を導入すべきという話もあります。もし、走行税を導入するのであれば、走行距離に応じて支払うことになるので、「軽自動車」の優遇ということはなくなるはずです。

また、重量税については、自動車の区分で分けるのではなく、重量で分ければ済むことです。軽自動車は基本的に普通自動車に比べ軽いはずなので、軽いために重量税が安いのであれば欧米諸国も文句を言えないはずです。規格の問題ではなく重量の問題なので、アメ車も軽くすれば税額が下がるからです。

今や、軽自動車は車全体の約4割にも達していて、大衆車の普及という当初の目的は達成しています。その意味では、「軽自動車」という区分を維持し続ける必要性はなくなっています。もっとも、軽自動車は普通自動車とナンバープレートも検査体制も違うため、これを普通自動車に一本化するには新たなコストが発生します。

この点を踏まえると、普通自動車の税額を下げ、軽自動車との税の不均衡さえ解消すれば、あえて「軽自動車」という区分を廃止する必要はないと考えます。この方法であれば、地方の住民の足は現状どおり維持され、欧米諸国からの反発もなくなります。さらに、普通自動車の販売台数も伸び、雇用も増え、経済も活性化するはずなので、税収も増えます。国は、既存の税額を引き上げることばかり考えるのではなく、全ての人がハッピーになる方法を考えて欲しいものです。
ラベル:軽自動車
posted by がちょ at 09:33| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする